子どもたちに昔話を(小椋由佳里)
こんにちは。
エイトビルシスターズの小椋由佳里(おぐらゆかり)です。ブログ初登場です。
きらめきフェスタ「大歳のおどし」、観ていただいた方、関わってくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。
いろいろな方にお誉めの言葉をいただきましたが、中でも私がうれしかったのは、他団体のダンスで出演していたお子さんやその親御さんから、「面白かった!」という言葉をいただいたことでした。
子どもたちの「楽しかった」の言葉、これは「昔話」への最大の賛辞。
そう、今回題材にしたのは「昔話」。
私、「昔話」大好きなんです。子どもの時から。
個人的な話で恐縮ですが、私はふだん高校で国語教師をしておりまして、「昔話」や「民話」のような古いお話、いわゆる「古典」の類に深い思い入れがあります。
まあね、学生はみんな嫌うんですけどね、古典。
言葉はわからないし、なんだか古くさいし…だっさーっと思うのでしょうか。
そりゃ、音楽でもファッションでも、映画やゲームでも、何だって新しいものの方がきらきらしてるし、かっこいいですよ。
私らの今回の衣装もなんですか、ありゃ。
ほっかむりした、 ほっぺの赤いじいさん。
土釜や鍬(くわ)をかぶったあやしげな物の精。
物語を読んでいる人もピンクの花柄の羽織着てましたから。
舞台袖で、めっちゃクールな衣装着たキッズダンサーたちにえらい笑われましたよ。
ええ、そりゃたいそうダサかったと思うのですが…。
私はこの古めかしさ、かっこわるさが好きなんです。
この「大歳のおどし」のじいさんも、非常にかっこわるい。
お人好しで、何も考えずに他人に物を貸して、無一文になって…。
現代でそんな不器用な生き方していたら、たちまち振り込め詐欺にひっかかるわ!
そう、「昔話」には、そんなんじゃ生きていけないよ!というくらいばか正直な人がたくさん登場します。
でもね、その不器用さが美しいのですよ。
そんな人が最終的には報われ、ハッピーエンドを迎えるのが「昔話」です。現実はきれいごとだけでは済まないけれど、「昔話」は救いと光明を示してくれます。(中にはまったく救いのない残酷な話もありますが…)
今、子どもたちに昔話を語ってくれる人は少なくなりましたよね。
教え子の高校生たちも、昔話をあまり知りません。「一寸法師」の話を知らないという生徒が多いことにはずいぶん驚かされました。
繰り返しますが、私は「昔話」が大好きです。
古いけれど、受け継がれていくものには、それだけの価値と美しさがあります。
大切にしていかなければならないのです。
古いからといって捨ててはならないのです。
今回の「大歳のおどし」の中に、原作にはないTHE・子の演出がひとつありました。
じいさんは、土釜や鍬などの「物」たちを娘のように大切にしており、まるで嫁に出すように人に貸す、という設定です。実はそこが私の一番好きなところでした。
じいさんは、「物」を大切にする人だから、
われわれ現代人のように、古くなったからといって簡単に捨ててしまわないでしょう。
手入れや修繕をしながら、生かし続けていくでしょう。
私も、じいさんのように、守り続けていきたいな、と思います。
「昔話」を子どもたちに語り継いでいけたら素敵だなぁ…なんて…。
「大歳のおどし」という素材を選んだのは、15分という尺の問題から、昔話のように簡潔なものがいいんじゃないか、という理由のみで、特に深い意味はなかったのですが、今回の舞台を、子どもたちやその親御さんが喜んでくださったことを受けて、そんなふうに考えたおぐらでした。
エイトビルシスターズの今後の活動にも、何か影響あるかも…?
どうぞ、お見守りくださいませ!
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